動脈硬化症におけるVLDL受容体の役割（高橋貞夫　女子栄養大学栄養科学研究所客員教授）

女子栄養大学栄養科学研究所

31 May 202214:02

Summary

TLDRこのスクリプトは、家族性高コレステロール血症に関する研究とその病態の解明を紹介しています。ldl受容体の機能とその遺伝子異常が、この病気の原因であることが明らかになり、1985年のノーベル医学生理学賞受賞者にも名を連ねる。ldl受容体が細胞膜を貫通し、コレステロールの管理に関与するメカニズムが解明されています。さらに、この受容体が動脈硬化や肥満、2型糖尿病などのメタボリックシンドロームと深い関係にあることも触れられています。

Takeaways

🏥 赤橋貞夫氏は上尾中央総合病院、女子栄養大学栄養科学研究所、高崎健康福祉大学から来て、2021年のカネットオピニオンリピを紹介します。
🧬 家族性高コレステロール血症は、世界で最も多い遺伝子流の一種であり、常染色体優性遺伝子病です。
👶 2歳の女児が胎生期よりコレステロールが高く、皮膚に沈着し発症する例があります。
💔 家族性高コレステロール血症のホモ接合体の患者は、20歳までに心筋梗塞を起こすことがあります。
🏆 1985年にノーベル医学生理学賞が授与され、日本人の山本徳大先生がLDL受容体をクローニングし、その功績があります。
🔬 LDL受容体は5つの大きなドメインで構成され、細胞膜を貫通する機能を持っています。
🚫 LDL受容体の機能が不足すると、血中コレステロールが高くなり、動脈硬化などの病気につながります。
🔬 研究により、LDL受容体が細胞内の運搬と取り込みのメカニズムを理解するのに役立つかが示されました。
🧬 1984年に家族性高コレステロール血症の原因遺伝子であるLDL受容体のcDNAクローニングに成功したと報告されています。
🌐 VLDL受容体とLDL受容体が異なる機能を持っており、マクロファージ細胞での脂質の取り込みや動脈硬化病変に関与していることが示唆されています。
🧫 LDL受容体ノックアウトマウスを使った実験から、LDL受容体が動脈硬化予防に重要な役割を果たすことが研究されています。

Q & A

赤橋貞夫さんはどの大学の教授ですか？
-赤橋貞夫さんは上尾中央総合病院、女子栄養大学栄養科学研究所、高崎健康福祉大学の教授です。
家族性高コレステロール血症はどのような病気ですか？
-家族性高コレステロール血症は、LDL受容体遺伝子異常によって引き起こされる常染色体優性遺伝子病で、高コレステロール血症を特徴とする疾患です。
家族性高コレステロール血症の患者はどのようなリスクがありますか？
-家族性高コレステロール血症の患者は、若いうちから心筋梗塞のリスクが高く、ホモ接合体の場合は20歳までに心筋梗塞を起こすことがあります。
LDL受容体とは何ですか？
-LDL受容体は、肝臓細胞表面に存在し、LDL粒子を細胞内へと取り込むための受容体蛋白です。
LDL受容体の機能が理解されるにつれて、どのような進展があったでしょうか？
-LDL受容体の機能が理解されるにつれて、1985年にノーベル医学生理学賞が贈られ、山本徳大先生によって世界で初めて人のLDL受容体cDNAクローニングが成功しました。
LDL受容体はどのように細胞内へとLDLを運ぶのですか？
-LDL受容体は、LDL粒子のアポB100トリガンドと結合し、エンドゾーンで細胞内へと取り込み、アシドーシス環境で構造変化を起こしてLDLを細胞内に供給します。
家族性高コレステロール血症の原因遺伝子が発見されたのはいつですか？
-家族性高コレステロール血症の原因遺伝子であるLDL受容体のcDNAクローニングは、1984年に成功しました。
動脈硬化とLDL受容体にはどのような関係がありますか？
-LDL受容体の機能不全は、LDLが血中を循環し続けることを引き起こし、動脈硬化の原因となることがあります。
LDL受容体ノックアウトマウスとは何ですか？
-LDL受容体ノックアウトマウスとは、LDL受容体の遺伝子を打ち消したマウスで、家族性高コレステロール血症の研究に使われます。
VLDLとは何で、LDL受容体とどう関係していますか？
-VLDLは非常に低密度脂蛋白の略で、肝臓から分泌される脂質を運ぶ脂蛋白で、LDL受容体と同様に脂質の代谢に関与しています。
マクロファージ細胞とLDL受容体にはどのような関係がありますか？
-マクロファージ細胞は、LDL受容体を介してLDLを吸収し、泡沫細胞へと変化することで動脈硬化の進行に寄与します。
2型糖尿病や肥満メタボリックシンドロームにおけるLDL受容体はどのような役割を果たしていますか？
-2型糖尿病や肥満メタボリックシンドロームでは、LDL受容体の機能が低下し、血中LDLコレステロール濃度の上昇を引き起こすことがあります。